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2009年2月26日 (木)

ZONE (ゾーン)は何艇身になるの?

ZONE (ゾーン)は何艇身になるの?

Zone_jpeg RRS2009-2012改訂のハイライトは、なんと言っても、旧規則18(マークと障害物の回航と通過)が、新規則18(マークルーム)と新規則19(障害物を通過するためのルーム)に二分割されたことである。
難解と言われていた旧規則の変則的な部分を訂正し、例外を少なくし、①マークにおいては一つの規則(規則18)と②ゾーンがない障害物においての簡潔な規則(規則19により、最終的に簡潔・明解になったと考えられる。
またあわせて永年親しんだ、2艇身ゾーン』3艇身ゾーン』 に変更された。これは近年の49er等高速艇の登場によるものである。

さて、RRSでゾーンを規定しているのは次の3箇所である:、
定義:ゾーン マークに近い方の艇の3艇身の距離で囲まれた、マーク周囲の区域を、ゾーンという。艇体の一部がゾーンに入っている場合、その艇は、ゾーンの中にいるという。

規則86.1(b): ただし、帆走指示書では、マークに囲まれたゾーンを決定する艇身数を、「2」または「4」に変更することができ、その数字はすべてのマーク、およびそれらのマークを使用するすべての艇に適用される。帆走指示書にて規則または定義を変更する場合には、その規則または定義を明示し、変更を記載しなければならない。

規則87: 帆走指示書では、クラス規則にて変更が許されている場合、またはその変更に対し、クラス協会の書面による許可が公式掲示板に掲示された場合のみ、クラス規則を変更することができる。

これらをまとめると次のとおりである;
① ゾーンの標準値(初期値)は3艇身ゾーンであること。
② 帆走指示書で「2」または「4」に変更することができること。
③ ただし、クラス規則で艇身数が規定された場合は、(原則として)それに従わなければならないこと推奨もしくは要請されている場合、特殊な事情がある場合を除き、それに応えること。

はてさて、春のレガッタ・シーズンも開幕間近。レース委員長は、「クラスごとに異なるかも知れないゾーン」を、帆走指示書でどのように決められるのでしょうか?他人事のようですが気になるところです。

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たまたま先日、IODA (International Optimist Dinghy Association: 国際オプティミスト・ディンギ協会)Webを閲覧していたところ、Regatta Committee News Feb 09の記事中に、協会の公式見解として、次のような「告知」がすでになされている。

原文pdf: 「IODA.pdf」をダウンロード

RRS86.1(b)は、帆走指示書で、ゾーンの距離を“2”または“4”艇身に変更することを許している。
すべてのIODA大陸選手権および世界選手権において本年、IODAは初期値である3艇身の距離を採用する。

チーム・レースにおいては、IODAは付則D1.1(a)を採用する:
D1 競技規則の変更
D1.1 定義と第2章の規則の変更
(a) 定義『ゾーン』の距離を2艇身に変更する。

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また、SCIRA(Snipe Class International Racing Association: 国際スナイプクラス協会)では、クラス規則の一つである、Standard Sailing Instructions Templete (標準帆走指示書)の第一項、規則に、

Rules:
1.1 Under rule 86.1(b), in the definition Zone the distance is changed to two hull length

とこれまた2艇身に変更する、告知がされている。
<
あわせてスナイプ独自の得点情報もISAF準拠に変更>

原文pdf: 「scira_2009_sailing_instruction_template.doc」をダウンロード

これによれば、スナイプは従来どおり2艇身 ! (もし470クラスが3艇身になれば、学生さんのレースはどのようになるのでしょうか?)

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ちなみに、ISAF Web経由で検索した、オリンピック艇種およびOPTIMIST, SNIPEのゾーンに関する記述は下記のとおり。 (2009225日現在)
各クラスのWebに公表されているクラス規則: ゾーンについての記載または告知の有無
470: 2009: なし
49er: 2008:
なし
Elliott 6m: ----: なし
Finn: 2009: なし
Laser: 2008: なし
Laser Radial: 2008: なし
Neil Pride RS:X: 2009: なし
Star: 2009: なし
OPTIMIST: 2009: Official Website News: Three Lengths
SNIPE: 2009: Standard Sailing Instructions Templete: Two Lengths
すでに、2009年版のクラス規則が公表されているクラスにおいては、
① 後日クラス規則の追加改訂
② 告知
RRSの定義に従う
のいずれかであろう。

全文pdf: 「ZONE.pdf」をダウンロード

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コメント

編集者からの回答;
はじめに、編集者はSCIRA、および日本スナイプ協会の会員ではないので、公式な回答でないことをお断りしておきます。

1.SCIRAの公式ルールブックは、一般的な単一冊子のクラス規則とは少々形態を異にし、狭義のクラスルールに、クラス全体の運営までを含めた各種規約の集大成で構成されています。(ただし、これはSCIRA特有のものではなく、他にも同様の形態を採っているOptimist、J/24 Class等々多々ある。)

2.SCIRAクラスルールとは、以下の規則である。
Constitution(規約)・・・・・組織
BY-Laws(細則)・・・・・艇登録
General Restrictions(制限規定)・・・・・艇規格
SCIRA Builder Certification(公認造船所規則)
SCIRA Advertising Prescription(広告規定)
Rules of Conduct For Conducting National and International Championship Regattas(国内および国際選手権大会の運営規定)
 (+)
Notice of Race Template Instructions(レース公示テンプレート)
Standard Sailing Instructions Template(標準帆走指示書テンプレート)
SCIRA Low Point Scoring Table(低得点テーブル)・・・・・2009から削除
SCIRA Courses Guide(コースガイド)

3.ちなみに、全日本スナイプ選手権のNoR 1項、適用規則では、
  1.規則
  1.1 この大会は以下の基に運営される:
   a) RRSで定義された「規則」
   b) 最新のSCIRAクラスルール、細則、国内及び国際選手権大会の運営規定
   c) このレース公示
   d) 帆走指示書
   e) 全日本スナイプ級ヨット選手権大会実施規定とTerry Whittemore杯、古屋徳兵衛杯の制限
とされ、上記2項SCIRAルールに則ったNoRおよびSIsが作成され、また極めてそれに忠実な運営がなされている。
  全日本スナイプ選手権は世界選手権への予選でもあり、また世界でも有数なスナイプ王国である日本スナイプ協会がこのような世界標準を採択するのは当然のことであろう。

4.当記事本文に記載・添付しているように、今回の2艇身ゾーンの告知は、
 『クラス規則の一つである、Standard Sailing Instructions Template (標準帆走指示書)の第一項、規則に、
 Rules: 1.1 Under rule 86.1(b), in the definition Zone the distance is changed to two hull lengths』
 とされているのであって、
クラス規則そのものがゾーンを変更している訳ではなく、クラス規則として、各大会(特にチャンピオンシップ)に対し、「帆走指示書の変更を要請している」ことになる。

 各大会(主催者)においてはこれを受託し、帆走指示書上で「規則86.1(b)に基づいてゾーンを変更する」という手順になる。
 (もちろんそのバックグラウンドには、上記要請がある) 
 このことは、規則86.1(c)に違反するものではない、なぜなら「クラス規則そのものがゾーンを変更している訳ではなく、帆走指示書の変更を要請しているだけ」である。
 また、規則87については、「すでにクラス規則において、ゾーンの変更が要請されている」ゆえに、「帆走指示書のゾーン変更の根拠」がクラスからの要請であることを表明する意味からも、公式掲示板にクラス協会の許可ないし要請があることを、掲示することを薦められる。(従前より42条の変更等でその掲示は見受けられる)
 なお、規則86.1(c)の2011年11月1日・・・・は2番目の文に対してである。

2009/3/2 22:00

投稿: 編集者 sen yamaoka | 2009年3月 2日 (月) 16時44分

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