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2009年11月 3日 (火)

読者からの質問と回答 「RRS20 障害物においてタックするためのルーム---その2」

2009-06-17記事:『読者からの質問と回答 「RRS20 障害物においてタックするためのルーム」』において、
編集者もこの規則については完全に理解できていない部分があります。(編集者が疑問を持っている点については、解決次第レポートします。)
としていました。http://ventoorientale.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/a.html

その後、数件の質問が寄せられ、いい事例がないか探していましたが、『US SAILING APPEAL BOOKS (US Sailingから購入可)』に具体例をみつけましたので紹介します。

<2009-06-17記事の抜粋>
ISAF Q&A 2009-028
規則20.1に関する2つの質問:

質問 1:
規則 20.1(b) は、声をかけられた艇に、“できるだけ早くタックする”または“直ちに“ユー・タック(タックせよ)”と声をかける”ことによって応じ、タックするためのルームを与えることを求めている。
声をかけられた艇は、次の場面において、規則20.1に基づく義務に従うため、声に応じなければならないか?
(a) ・・・(省略)・・・ (b) ・・・(省略)・・・ (c) ・・・(省略)・・・ (d) ・・・(省略)・・・

(e) 声をかけた艇が、障害物を回避するためにコースを大幅に変更する必要がない場?
(f) 障害物が、声をかけられた艇がフェッチングしているマークである場合?

回答 2::
(a) ・・・(省略)・・・ (b) ・・・(省略)・・・ (c) ・・・(省略)・・・ (d) ・・・(省略)・・・

(e) YES. 艇は安全上、障害物を回避するためにコースを大幅に変更する必要がない場合、声をかけた艇は、声をかけることによって規則20.3に違反している。しかしながら、声をかけられた艇は、それでもなお、規則20.1(b)に従わなければならない。
(f) YES.  障害物が声をかけられた艇がフェッチングしているマークである場合、声をかけた艇は、声をかけることによって規則20.3に違反している。しかしながら、声をかけられた艇は、それでもなお、規則20.1(b)に従わなければならない。

今回のUS Appeal の事例は、上記質問の(e)と(f) にある「規則20.3に違反している。しかしながら、声をかけられた艇は、それでもなお、規則20.1(b)に従わなければならない」を具体的に論じたものである。

<US APPEAL 15>
Brigadoon vs. Magoo

規則20, 障害物においてタックするためのルーム
定義, 障害物

艇は、障害物を回避するため大幅なコースの変更が必要な場合、他の艇にタックするためのルームを求めて声をかけることができる


事実およびプロテスト委員会の判決
Us_appeal_15_jpeg_3 Us_appeal_15_japanese_jpeg_3 Brigadoon (W)Magoo (L) は、Lが風下でかつクリア・アヘッドで風上レグを帆走していた。両艇はスターボード・タックで、転覆しているボートを救助中の50フィートの警察船に近づいていた。警察船は転覆しているボートに接近し、ボートは警察船の風下にいた。Lはコース変更なしでは警察船の風上を通過することはできなかった、そこでWにタックするためのルームを求めて声をかけた。Lはその後タックし、Wは、タッキングまたは‘ユー・タック’と答えることなしに、避けるためにベア・ウエイした。
Wは、Lは規則20.1によってWにタックするためのルームを求める資格はないという根拠に基づき、Lを抗議した。プロテスト委員会は、“Lは自らベアリング・ウエイすることによって障害物を回避できた。その周りにはオープン・ウオーターがあった”と述べて、Lを失格とした。Lは上告した。

アピール委員会の判決
警察船は、
Lが“それから1艇身となった”ときに、“大幅なコースの変更”をせずに通過することができなかったので、障害物であった。しかしながら、この場合は、LWにタックするためのルームを求めて声をかける権利を必ずしも与えられていなかった。もしLが警察船の風下の端のすぐ近くに接近していた場合、それゆえLは、警察船から1艇身のところでコースを少し変更することによってのみ、その風下を安全に通過することができたであろう、Lはそのようにすべきであった。ここではこのようなケースではなかった。ダイアグラムで明白なように、Lのコースは警察船の風上の端に接近し向っていた。Lはその風上を通過するためにタックするか、風下を通過するために大幅にベア・ウエイするかのいづれかをしなければならなかった。Lは、そのどちら側を通過するするとしても、障害物を避けるため大幅なコースの変更が必要であったがゆえに、規則20.1に基づきWにタックするためのルームを求めて声をかける権利があった。
規則20.1はこの状況を扱っている、そしてLはその要件を満たしている。Lが声をかけた場合、規則20.1(b)は、Wにできるだけ早くタッキングするか、直ちに‘ユー・タック(タックせよ)’と答えることによって応じるよう求めている、たとえWLのかけた声が規則20.3によって許可されていないと考えていた、としてもである。Wはそのようにしなかった。
Lの上告を支持する、プロテスト委員会の判決を破棄し、Lはフィニッシュ順位を元に戻す、そしてWを規則20.1(b)の違反のよって失格とする。

(解説)
① 規則20は「安全に関わる規則 (It is a "Safety" rule)」である。
② それゆえ、たとえ規則20.3に違反した艇から声をかけられたとしても、それでもなお規則20.1(b)に従わなければならない。声をかけられた艇の唯一の選択肢は、その後で違反した艇を抗議することである。
従わなかった場合、規則64.1(c)に基づき免罪されることはない。

原文 Dloadnowbutton_28「us_appeal_15_pdf.pdf」をダウンロード 
日本語訳 Dloadnowbutton_29「us_appeal_15_japanese.pdf」をダウンロード

<引用>US Sailing website: http://www.ussailing.org/

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