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2010年9月 5日 (日)

読者からの質問と回答 「ヒーブ・ツー (Heave-to)」

読者からの質問:
Ft10class_4 ヒーブ・ツー (もしくはクイック・ストップ)
8月23日(月)の
Flying Tiger 10 Mでのレース中、1R目と2R目の間に強風だったので、船を安定させて休憩をとろうと、<ヒーブ・ツー>を試みましたが裏風の入ったメインを押し返すことが出来ず、うまくいきませんでした。
メンバーからは「風が強すぎるので上手くいかなかった」との声がありましたが、<ヒーブ・ツー>は本来、荒天対策であり、過去、40fクラスで25kts超の中トライ、船を安定させてリーフ作業が楽だったのを覚えています。
確かに
Flying Tiger 10 Mはレーシング・キールボートでメインは大きいものの、当日の20kts程度の風であれば、「風力というよりはむしろ、ジブが緩かった事。次にタイミングの問題。なのでは?」と考察している次第です。
一度、きちんとクローズの状態にして、ジブシートをリリースせずにタック。返ったメインをきちんと出してから、舵を逆にゆっくり切る。(
FT 10はレスポンスが良すぎて、逆舵を切るタイミングをメインに合わせないと、裏風が一気に入って、押し返せない)
如何でしょうか?
末筆ですが、お体に気をつけられて、今後のご安航お祈りいたしております。


編集者による回答:
Heaveto_jpeg_2 <ヒーブ・ツー(Heave-to, 日本語では踟躊(ちちゅう)>については、編集者はいまでもディンギーに乗艇する時はたびたび用いますが、キールボートについては経験もなく、かつレースシーンにおいても見る機会は殆どありません。
よってキールボートの名手である友人に質問しましたので、その回答をそのまま転載します。(右図はUSSailingから引用

Mr. J24と呼ばれている名スキッパーからの回答:
専門家ではないので個人的見解です。
裏風が入ったメインを押し返せないというのがどういう状況かはっきりわからないのですが、ヒーブ・ツーは裏風を張ったジブでバウが風下に倒されていくのとシバーしたメインに受ける風によるわずかな前進力、ウエザーヘルムをバランスさせて船を安定させる方法です。
ジブとメインのバランスや艇体のキールの形状によって、バランスする角度、バランスしやすさがかなり異なります。
たとえばディンギーではアビームで漂いながら風上側のジブシートを引き逆ジブを張るだけでヒーブ・ツーが出来ます。学生がよくレースの待ち時間に使っています。
逆にキールボートでアビームで風上側のジブを引くと逆ジブの力でベアーしてジャイブしてしまうことが多いです。従ってタックから入って安定させることが多くなります。
FT 10でヒーブ・ツーが難しい一番の原因はキールの形状にあるのではないかと思います。通常の方法でタックして安定させる時、普通のキールは前後幅があるので艇を回転させるのを阻止するように働くのですが、FT 10のような最近のスピードボートは細長く回転を阻止する効果が薄いため回転が止まりにくく、ジブとメインのバランスだけで船を安定させることが難しくなります。また仮に安定してもシバーしたメインの力だけで前進力を生み出すことも難しい分、すぐにバランスを崩してしまう可能性があります。(スピードボートはスピードが出て初めて横流れがなくなるが、スピードが無いと横流れあるいは回転だけで前進力が発生しにくい)
もう一つ考えられるのは、シバーしたメインの効力の中心が艇体の抵抗効力の中心より前方にあればジブもメインもリー・ヘルムを作る力になってしまうのでヒーブ・ツーは出来ないことになってしまいます。
このように失敗の原因はいくつか考えられるのですが、艇によってヒーブ・ツーに入る入り方、入るのに必要なスピード、安定する角度、またヒーブ・ツーのしやすさ等異なるので、やり方によってヒーブ・ツーが出来たかもしれないし、ひょっとしたらすごくし難い、あるいは出来ない場合も考えられると思います。
(編集者注)確かに、FT 10のキール(ラダーも)は極端に細長かったですね。
Flying Tiger 10 M International Class Association: http://www1.ft10class.info/

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