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2010年9月 4日 (土)

読者からの質問と回答 「抗議の判決と船体保険」

Marine_insurance_2 読者からの質問:
ある大会でジャッジを担当し、抗議が1
抗議は規則10に関わるインシデントで、両艇が損傷を伴う接触、判決として「被抗議艇は規則10および14に違反したため、DSQとしました。
その後数日経って、損傷を負った抗議艇から『船体保険を申請するため、保険の証明をしてほしい』との要請がありました。
ジャッジ(プロテスト委員会)として、そのようなことをしなければならないのでしょうか?

編集者による回答:
保険の証明とはなんでしょうか?

 セーリング競技規則(RRS)のなかには、プロテスト委員会の責務として抗議の判決に関係して「保険の証明」をしなければならない、といった記述はどこにもありません。

 また、2010220日に改訂された日本セーリング連盟規程 2 [ 規則68 ]には下記の記述があります。
日本セーリング連盟規程 2 [ 規則68 ] JSAFウエブからダウンロード可)
セーリング競技規則に定める『規則』の違反行為により生じた損傷に関する艇の法的責任は、当該インシデントに関与した艇のペナルティーの履行、あるいは審問におけるプロテスト委員会または最高審判委員会の決定とは別個のものである。 

セーリング競技の競技者は「規則により統制され」(基本原則および規則3)、主催団体、レース委員会およびプロテスト委員会は「レース中の運営と判定にあたり規則により統制される」(規則85)とある。すなわちレースは「RRSに基づき運営されるべきもの」であり、言い換えれば「RRSに基づかない運営はしてはならない」ことになります。
セーリング競技を世界共通の基準で行なうために定められたのがRRSであり、競技者がRRSに従うかぎり、世界中のどの水域でも、またオリンピックレースからローカルレースまで、安心して(安全かつ公正な)セーリングができる「特権」を与えられることになります。

RRSがすべてであり、以上もなければ以下もない(何も足さない何も引かない)』所以がそこにあります。

* よって当質問については、上記規則および規程に従い、プロテスト委員会から証明書等を発行するといった責務は一切ありません。

 競技者への参考;
規則65に下記の記述がある。
規則65.2
  「プロテスト委員会は、判決を決定した後、審問の当事者に、認定した事実、適用規則、判決、判決理由および課すペナルティーまたは与える救済を速やかに通告しなければならない。」
規則65.2
  「審問の当事者は、判決を通告されてから7日以内にプロテスト委員会に書面で求めた場合に限り、上記の情報を書面で受け取る資格が得られる。」
 
* 審問の当事者は、この規則に従って判決の情報(通常は判決が記載された抗議書の写し)を受け取る資格がある。ひとたび受領した情報をどのように利用するかは、受領者の任意といえます。ただし利用に当たっては、その情報はすでに大会とは離れたものとみなされ、「受領者自身の責任」において処理すべきであり、大会およびプロテスト委員会は一切関与しないものとなります。

④ RRSにおける金員の記述
RRS上に金員にかかわる記述があるのは、規則64.3(d)「計測規則にかかわる抗議から生ずる計測費用」と付則J1.2およびK5「参加料」の2箇所だけで、極めて限定的であり、RRSは金銭的な問題とは一線を画していることがわかります。
なお、セーラーをアマチュアとプロフェショナルに分類するための規定は、ISAF規定19[資格規定]
を参照;
ISAF Sailor Classification: http://ventoorientale.cocolog-nifty.com/blog/2010/04/isaf-sailor-c-1.html

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