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2011年5月17日 (火)

読者からの質問と回答 「ラップとレグの違いは?」

読者からの質問;
>規則32.2(b)にある「ラップ」とはどのように解釈すればよいのでしょう。「レグ」と同義ですか。
>「レグ」という言い方は英語圏では使わないのですか?
>ラップという言葉は、RSSではここにしか出てこないと思うのですが・・・・自動車レースなどでラップ・タイムと言うときには、ある特定の区間に要した時間と解しますが、規則32.2における「各ラップの終わりに艇が横切らなければならないライン」とは(a)(c)以外に何が考えられますか。 レースのコース形式と関連して特殊な場合をいうのですか? 
>「各ラップ」の終わりに設けるラインとは? 普通の上下、三角のレースコースを想像するので、変な質問しました。 


FJ級などではフィニッシュが特殊です。最後のラップの終わりは当然フィニッシュです。本部船から風下にマークを打ち、この間をフィニッシュ・ラインとし、選手は風下マークを回ってからこのラインを横切らなければなりません。英文にあるeach lapがよくわからないので・・・・お粗末な質問です。 
>また「ラップ」とオーバーラップの「ラップ」は違いますよね。 これもお粗末な質問ですが。


編集者による回答;

>規則32.2(b)にある「ラップ」とはどのように解釈すればよいのでしょう。「レグ」と同義ですか。
同義ではありません。

>「レグ」という言い方は英語圏では使わないのですか?
Apl_l_jpeg レグ(Leg)という用語は、RRSの中に頻繁にでてきます。
レース信号、規則23.2, 28.2, 31, 33、付則J, K, L、付則Cなど30数箇所に登場します。

一方、ラップ(Lap)という用語は、質問にあるようにRRSでは規則32.2(b)、他には付則L(帆走指示書ガイド)の付属文書A Addendum A)・コースの図示 Illustrating of the course)の2箇所にしか見当たらないようです。

>ラップという言葉は、RSSではここにしか出てこないと思うのですが・・・・自動車レースなどでラップ・タイムと言うときには、ある特定の区間に要した時間と解しますが、規則32.2における「各ラップの終わりに艇が横切らなければならないライン」とは(a)(c)以外に何が考えられますか。 レースのコース形式と関連して特殊な場合をいうのですか? 
レグおよびラップの意味を辞書で引くと、「レグ」には、三角形の底辺以外の辺、帆船のひと間切りの区切り、帆船のジグザクコースの直線区等の意味があり、RRS上の解釈として日本語で表現するならば、「ひと区切り」または「辺」が適当と思います。 「ラップ」は1周、1往復とあり、RRSでは「周」とするのが適当でしょう。

レグは、最初のレグ(the first leg, マーク2からマーク3までのレグ(the leg from mark2 until mark3)、最終レグ(the last leg)、風上レグ(windward leg)、風下レグ(leeward legとかの色々な使い方があります。

ラップは、あまり使われませんが、時に見かけるのは帆走指示書のコース図で、例えば風上-風下コースを何周するかを指示するため、1周(one lap)、2周(two laps)、2度目の周回(the second lap)とかの使い方をします。

RRS付則L(帆走指示書ガイド)の付属文書A・コースの図示にある「風上-風下コース」では、「レグ」として風上レグと風下レグがあり、「ラップ」はその1往復(1周)を指しています。


>「各ラップ」の終わりに設けるラインとは? 普通の上下、三角のレースコースを想像するので、変な質問しました。 
そこで「各ラップの終わりに設けるラインとは」という質問ですが、その「ライン」は一般的に採用されているコースではあまり見かけませんし、付則Lの付属文書A に記載の「風上-風下コース(A Windward-Leeward Course)、「風上-風下-三角形コース(A Windward-Leeward-Triangle Course)、「トラペゾイド(台形)・コース(Trapezoid Courses)に記載のコース中にも存在しません。

RRS付則L 付属文書A ・コースの図示PDF: 「apx_l.pdf」をダウンロード 


Kazi_cup_course_jpeg 編集者が経験したレースで、舵杯ヨットレース1例を紹介します。これでイメージしてください。
 レース・エリアが、相生湾の奥まった場所で、かつ湾内沿岸部にある埠頭、突堤、海運設備にも囲まれた、極めて狭隘な海面しか確保できない事情から、風向の如何にかかわらず各マークの位置は固定し、見かけ上の風上-風下コース(通称ソーセージコース)としている。
 コースは、レース委員会ボート間をスタートをスタートし、No.1マークNo.2マークのコースを3周(クラスA)または2周(クラスB)し、再びレース委員会ボート間でフィニッシュとした
 その際、レース艇があまりにも沿岸部に近づくのを防止するため、No.1マークからNo.2マーク、およびNo.2マークからNo.1マークへのコースにおいて、最初はスタート・ラインであった「レース委員会ボート間を通過しなければならない」指示とした。(右図参照)
 
ここで通過すべきレース委員会ボートは、「マーク」ではなく、「障害物」の扱いとした。(今になって考えればゲート・マークとして定義してもよかったかも知れないが、通常用いる風下ゲート・マークとは意味が異なることもあり、このような取扱いとなった)

このコースにおいて「コース短縮」をする場合、フィニッシュ・ラインは次となる、
回航マークにおいては、規則32.2(a)に従い、No.1マークまたはNo.2マークS旗を掲げ、そのマークとS旗を掲げたポールとの間。
通過ゲート(レース委員会ボート間)においては、規則32.2(b)に従い、いずれかのレース委員会ボートにS旗を掲げ、各ラップの終わりに艇が横切らなければならないラインであるレース委員会ボート間。
③(もしゲート・マークと定義していたならば、規則32.2(c)に従い、ゲート・マークの間。)

規則
32.2(b)にある「各ラップの終わりに艇が横切らなければならないライン」の例があまりなく、取り急ぎ無理やり探したものですが、ご理解いただけたでしょうか?

Lighthouse2 Lightbeacon_5 ただし、オフショアーレースにおいては、マークではないが(障害物として)ある島と島との間、灯台と岩礁との間、③浮標と別の浮標の間(立標、浮標、灯浮標などを含め)、④埠頭と浮標の間、⑤突堤と突堤の間、とかを通過しなければならない指示をした帆走指示書はよく見かける筈である。
大阪湾におけるレースでは、特に大阪港内とか神戸港内での帆走時にこのような制限を設けるケースは珍しいものでない。このようなケースも広義の「各ラップの終わりに艇が横切らなければならないライン」と云えるかもしれません。

Blogでも先般紹介した関西空港一周レースにおいては、「関空橋下の通過」および「フィニッシュ近くの青色灯浮標、赤色灯浮標の間」はこれに該当するものである。(右図SIs参照)

Kanku_race_gate_3FJ級などではフィニッシュが特殊です。最後のラップの終わりは当然フィニッシュです。本部船から風下にマークを打ち、この間をフィニッシュ・ラインとし、選手は風下マークを回ってからこのラインを横切らなければなりません。英文にあるeach lapがよくわからないので・・・・お粗末な質問です。 
何が特殊なの分かりかねますが、「トラペゾイド(台形)・コース」の変形のようですね。最後のラップの終わりは当然フィニッシュですではなく、最後のレグの終わりはフィニッシュです
Each lapとは、上述のように1周目、2周目を指します。

Kanku_race_finish_4 >また「ラップ」とオーバーラップの「ラップ」は違いますよね。 これもお粗末な質問ですが
RRS「ラップ(周)」とオーバーラップの「ラップ」は明らかに違います。ただし、ラップ(lap)という言葉(動詞)にはオーバーラップ(overlap)と同じ意味があり、艇と艇がオーバーラップしていることを、“ラッ プしている”と云う言い方はよく使われます。
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規則32.2
レース委員会が、コースの短縮信号(音響2声と共にS旗を掲揚)を発する場合には、フィニッシュ・ラインは、以下でなればならない。
(a) 回航マークにおいては、その回航マークとS旗を掲げたポールとの間。
(b) 各ラップの終わりに艇が横切らなければならないラインにおいては、そのライン。
(c) ゲートにおいては、ゲート・マークの間。
コース短縮は、先頭艇がフィニッシュ・ラインを横切る前に信号を発しなければならない。

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