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2011年12月 9日 (金)

レースの短縮/JSAFレース・オフィサー・セミナー

今週初め(124日)に、徳島ヨットクラブに行ってきました。JSAF外洋内海主催のJSAFレース・オフィサー・セミナー」が当地で開催され、講師を務めるためです。
このBlogでも幾度かレポートをしましたが、瀬戸内の夏を代表する「阿波踊りヨットレース」を主催するのが当徳島ヨットクラブである。本年は第39回として813-15日(例年)の両日に開催され、82艇参加のいつもながらの盛大な大会であった。編集者もジャッジとして参加し、レースはもとより、あのぞめきのリズム、二拍子の楽園、阿波踊りの感動」を大いに満喫した次第である。
その際クラブの方から、『来年は40回という節目を迎える記念大会を計画している、また本年から紀伊水道レース、JSAF徳島レースとのタイアップにより規模が拡大したこともあり、この機会にレース運営について原点に戻って研修しておきたい』との話があり、今回『クラブ・レース・オフィサー(CRO)セミナー』を実施する運びとなったものです。
セミナーはクラブハウスを会場に、徳島および西宮からのCRO資格取得希望者および聴講者を交え、熱心な雰囲気の中で行われた。またセミナー終了後には、たまたま当日がクラブの忘年会であり、部外者ではあったが招待を受け厚かましくも参加し、2次会までお付き合いし、親しく情報交換する機会を得ることができた。その席でもレースに関して種々の質問攻めにあい、このクラブの問題意識の高さに感心した次第である。

Awaodori_race_course 多くのQ&Aの中で、特に注目を集めたのが『レースの短縮およびレグの変更』に関する件であった。
その背景には、「全クラスフルコース・全艇フィニッシュ」が理想の姿ではあるが、コンディションに因ってそれが叶わない場合がある、その際にはIRCクラスからオープンAからDクラスと多岐のレーティング艇が参加する大会の性格上、「少なくとも全艇フィニッシュは達成したい」という、選手側および運営側の強い願いがある。
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ここで本年開催の「阿波踊りヨットレース」と「島精機カップ(113-4日)」のコースを紹介し、その違いを比較してみたい。
「阿波踊りレース」
通常コース: スタート(徳島市沖)回航マーク(阿南市沖)フィニッシュ(徳島市沖)
短縮コース①: スタート(徳島市沖)回航マーク(阿南市沖)

短縮コース②: スタート回航マーク(阿南市沖)短縮コースのフィニッシュ(小松島市沖)

コース短縮の指示: 回航マークでS旗を掲揚しそのマークでフィニッシュ。または
回航マークでC旗を掲揚し(次のレグの変更)、短縮コースのフィニッシュ・ラインで(S旗を掲揚し)フィニッシュさせる。
メリット: 往路・復路とも“任意のコース”を帆走できる(レグ数は2だけ)。
デメリット: コース短縮は2箇所(回航マークか、短縮コースのフィニッシュ)のみで可能。
かつ短縮コースでフィニッシュをする場合は、手前の回航マークで決断しなければならない。
〈注:阿波踊りレースについては、解説の都合上、実際の帆走指示書とは一部異なる〉
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「島精機カップ」
通常コース: スタート(マリーナシティー)ゲートマーク沖ノ島北西方マーク海鹿島北方ゲートマーク沖ノ島北西方⇒フィニッシュ(マリーナシティー)
短縮コース: スタート(マリーナシティー)ゲートマーク沖ノ島北西方
Shima_seiki_cup_course 短縮コース: スタートゲートマーク沖ノ島北西方マーク海鹿島北方
短縮コース: スタートゲートマーク沖ノ島北西方マーク海鹿島北方ゲートマーク沖ノ島北西方
コース短縮の指示: ゲートマークまたは回航マークでS旗を掲揚し、そのマークでフィニッシュ。
メリット: コース短縮が3箇所(回航マークとゲートマーク)で可能。
かつコース短縮をマーク回航の“直前で決断”することができる。
デメリット: 往路・復路ともゲートマークを通過しなければならず、任意のコースが帆走できない(レグ数が4に増える)。
注:沖ノ島北西方のマークを通常の一つだけの回航マークでなくゲートマークとしたのは、ここでの“コース短縮をも”意図したものである。オフショアーレースの場合、通常の(1個だけの)回航マークでは“その近辺を通過する保証がなく(特に指示のない場合は、義務もない)”、このマークでのコース短縮はできないと考えたほうがよい、ゲートマークにすれば可能である。
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結果的には、「阿波踊りレース」は順風に恵まれ「全クラスフルコース・全艇フィニッシュ」となり、帆走指示書で準備した短縮コースは使用せずに終了。
一方の「島精機カップ」ではスタート時から弱い北東の風、最初のゲートマークである6 mile先の沖ノ島沖に先頭艇が到達したのがスタートから3時間半も経過していた。さらに7 mile先の回航マーク(海鹿島)まではたどり着けそうにない判断のもとに、このマークでコース短縮をした。苦渋の選択であったであろうが、“最悪のケース”を想定した帆走指示書が活かされる結果となった。
「全艇フィニッシュ」を命題として与えられ、帆走指示書での工夫、実際の場での決断は、その水域、気象を知り尽くしたレース・オフィサーのまさに腕の見せどころであろう。


関連記事:2011-08-26「第39 阿波踊りヨットレース2011 レポート」http://ventoorientale.cocolog-nifty.com/blog/2011/08/39-e79a.html
2011-10-17
「島精機カップ2011 (SHIMA SEIKI CUP)http://ventoorientale.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/shima-seiki-cup.html

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