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2012年6月 5日 (火)

読者からの質問と回答 「ゾーンへの到達とマークルーム」

読者からの質問;
623日新西宮ヨットハーバーで開催された「第35回関関戦」に参加したとき、ある選手(470級のエース)から質問を受けました。
RRS18(マークルーム)に関する質問です。

>風下マークまたはジャイブ・マーク(サイドマーク)に多数の艇が殺到する場合が多く、大回りする艇とプロパーコースを帆走する艇との間でよく起きる場面です。
>オーバーラップしていない2艇で、マークから見て外側のクリア・アヘッドの艇が先にゾーンに到達した、その後で内側のクリア・アスターンの艇がゾーンに到達したが、マークルームを得る資格はないのでしょうね?

編集者による回答;
その通りです。クリア・アスターンの艇にはマークルームを得る資格はなく、クリア・アヘッド艇にマークルームを与えなければなりません。

Que_21図:規則18.2(b)〈後段〉を適用する例;

質問には、このようなコースを帆走するのが規則に従っていることになります。

各位置で適用する規則と、マークルームを得る資格および航路権の変遷を説明します。

位置1: YELLOWがゾーンに到達した時、両艇はオーバーラップしていない。その時点でYELLOWはクリア・アヘッド、BLUEはクリア・アスターンである。規則18.2(b)〈後段〉が適用される。

位置2: 両艇はオーバーラップした。YELLOWは風上艇、BLUEは風下艇であり、YELLOWBLUEを避けていなければならない。しかし、規則18.2(b)が適用され、ゾーンに到達した時クリア・アスターンであったBLUEはクリア・アヘッドであったYELLOWにマークルームを与えなければならない。
またYELLOWに規則18.4が適用され、ジャイブしなければならない。


位置3: YELLOWが先にジャイブし、ポート・タック艇となった。BLUEはスターボード・タック艇のままであり、YELLOWBLUEを避けていなければならない。しかし、規則18.2(b)が引き続き適用されBLUEはYELLOWにマークルームを与え続けなければならない。
2012-06-07 1図の解説を一部訂正) 

折角の機会ですので、規則18の理解に役立てばと思い、次の2例を紹介しておきます。

Rrs2図:規則18.2(a)〈前段〉を適用するごく一般的な例;

位置1: YELLOWがゾーンに到達した時、両艇はオーバーラップしている。規則18.2(b)〈前段〉が適用される

位置2: 両艇はオーバーラップしたままである。YELLOWは風上艇、BLUEは風下艇であり、YELLOWBLUEを避けていなければならない。また、規則18.2(b)が適用され外側艇であるYELLOWは内側艇のBLUEにマークルームを与えなければならない。

(補足: 内側艇が航路権艇である場合、外側艇はマークルームを与えるだけでなく、同時に避けていなければならない。内側の航路権艇は、幅広いカーブを描き、その後マークぎりぎりにかわすことができる。 これを戦術的な回航-"Swing wide-Cut close", "Round wide and Come up tight", "Wide in, Tight up"という。)

位置3: 両艇がジャイブし、ともにポート・タック艇となった。BLUEは風上艇となり、YELLOWは風下艇となった、BLUEYELLOWを避けていなければならない。しかし、規則18.2(b)が引き続き適用されYELLOWBLUEにマークルームを与え続けなければならない。

Rya_33図:規則18を適用しない、1艇がゾーンに到達したにもかかわらず適用しない、すこし奇妙な例;

クリア・アスターン艇がクリア・アヘッド艇より先にゾーンに到達した場合には、クリア・アヘッド艇とクリア・アスターン艇との間では規則18.2(b)は適用されない。艇がオーバーラップしており、そのうちの1艇がゾーン内にいる間のみ規則18.2(a)を適用する。)

位置1: BLUEがゾーンに到達した時、両艇はオーバーラップしていない。またその時点でBLUEはクリア・アスターンであり、クリア・アヘッドではないので、規則18のいずれ(18.2(b)18.2(a))も適用しない

位置2: 両艇はオーバーラップした。YELLOWは風上艇、BLUEは風下艇であり、YELLOWBLUEを避けていなければならない。またここで初めて規則18.2(a)が適用され、外側艇であるYELLOWは内側艇のBLUEにマークルームを与えなければならない。
なお内側にオーバーラップしたBLUEに規則18.4が適用され、ジャイブしなければならない。


位置3: 両艇はジャイブし、YELLOWは風下艇、BLUEは風上艇となり、YELLOWが航路権艇となった。しかし、規則18.2(a)が引き続き適用されYELLOWBLUEにマークルームを与え続けなければならない。

位置4: YELLOWがラフした以上にBLUEがラフし、BLUEがクリア・アヘッドになった時点で、規則18.2(a)は適用を停止し、規則18のいずれも適用しない(マークルームを与える義務も停止する)。同時に、YELLOWは航路権を失い、規則12(同一タックでオーバーラップしていない)に従ってBLUEを避けていなければならない。

ISAF Case 2から引用。Case 15, Case 81も参照してください。

pdf:「qa_rrs18.pdf」をダウンロード

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