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2014年10月18日 (土)

再:抗議書の有効性テスト

Rule_quiz_3_q_jpeg_2 (問題)
“一見したところ不完全と思える” 別添のような抗議書が提出された。
あなたはプロテスト委員であり、審問を開始するに当たって、まず初めに『この抗議書が有効かどうか?』を審議しなければならない。

有効かどうか、理由を添えて解答してください。
問題「rule_quiz_3_q.pdf」をダウンロード 

(解答)
抗議は、規則61.2に従って有効であり、審問を続行する。

解答「rule_quiz_3_a_20141005.pdf」をダウンロード

----- 〈以下解説〉 -----

抗議書の有効性テスト-1
(問題)

別添の抗議書が提出された。
あなたはプロテスト委員であり、審問を開始するに当たって、抗議が有効かどうか審議しなければならない。有効かどうか、理由を添えて解答してください。

(解答)
規則61.2 に従って有効であり、審問を続行する。

(解説)
抗議は書面で、次のことを特定しなければならない。(a)抗議者と被抗議者、(b)インシデント。いつどこで発生したかを含む、(c)抗議者が違反したと考える規則、(d)抗議者の代表者の氏名。(規則61.2

ただし抗議の提出に当っての必要要件は、(b)インシデント、そのものだけである。インシデント:マークタッチ、いつどこで:レース2、マーク4、日付:200810.11
さらに、この抗議書には(a)抗議者と被抗議者も記述されている。抗議艇:12025QUEEN、被抗議者:ROCK。これら(a)の要件は、審問前に満たしておかなければならない。だれを呼ぶのか分からなくては、審問が開始できないからである。もし、抗議艇が被抗議者の艇名、名前が分からなかった場合でも、抗議書は提出できる。例えば抗議締切時間に間に合いそうにない時などは提出した後で相手艇を探しに行けばよく、審問の開始前に申し出ればよい。最終的に、相手が特定できなかった場合には、抗議は却下される。
(c)抗議者が違反したと考える規則、(d)抗議者の代表者の氏名は、さらに遅れてもよく、審問中に追加すればよい。
(d)抗議者の代表者は、クルーの中で誰でも最適と思う者を選べばよい。(c)抗議者が違反したと考える規則は、被抗議者が違反したと思われる規則を言えばよい、正しい規則番号を気にする必要はなく、規則に従っていないことを述べればよい。(参考規則64.1

この抗議書には欠けた項目が多くあり、艇が『レース2のマーク4でマークタッチした』以上の記述はないが、この抗議書は有効であり、規則61.2 を満たしている。

関連する情報を抜き出している「抗議書書式」は、RRS 上では何の意味も持たない。規則61.2 の要件に合致するかぎり、「一片の紙切れ」に書けばよい。
よく帆走指示書に「抗議書は、抗議書書式に書かなければならない」という文章がある。しかし時間がない場合など、紙切れに書き持ち込み、後でその書式をだせばよい。ともかくできるだけ早く提出することである。万一メモが受け付けられなかった場合は、プロテスト委員会に対し規則61.2 の要件に合致していると申し立てればよい。

結論:『艇QUEEN は、艇ROCK 200810.11 のレース2 のマーク4でマークタッチしたので抗議する、代表者:浅生潤一郎』で十分要件を満たしている。
残りは審問の前もしくは審問中に追加すればよい


(補足)
1. RRS60.1 には「艇は他の艇を抗議することができる」とあり、RRS61.2 には「抗議は必ず書面で提出しなければならない」とあり、「抗議の要件」を列挙している。

2. RRS61.2
抗議の内容(日本語)
抗議は書面で、次のことを特定しなければならない。
 (a) 抗議者と被抗議者。
 (b) インシデント。いつどこで発生したかを含む。
 (c) 抗議者が違反したと考える規則。
 (d) 抗議者の代表者の氏名。
ただし、(b)の要件が満たされている場合には、(a)の要件は、審問前ならばいつでも訂正し、満たすことができる。また(c)(d)の要件は、審問前または審問中でも訂正し、満たすことができる。 
RRS61.2 Protest Contents(原文)
A protest shall be in writing and identify
 (a) the protestor and protestee;
 (b) the incident, including where and when it occurred;
 (c) any rule the protestor believes was broken; and
 (d) the name of the protestor’s representative.
However, if requirement (b) is met, requirement (a) may be met at any time before the hearing, and requirements (c) and (d) may be met before or during the hearing.

まずここで、理解しなければならないことは、「抗議提出期限が経過した後に訂正ができないのは、インシデントそのものだけである」ということである。

併せて注意しなければならないのは、原文である英文と日本語訳との微妙な違いである。日本語訳にこだわることなく、原文を理解されることをお奨めする。

すなわち、
(a)抗議者と被抗議者。(a)the protestor and protestee・・・・・
     者(人名)を指すだけではなく、艇名でも、セール番号でも、艇が特定できればよい。
(b)インシデント、いつどこで発生したかを含む。(b)the incident, including where and when it occurred・・・・・
     時刻にこだわる必要はない。
When とはWhat time ではなく、「どの時点」もしくは「いつ頃」で要件を満たしている。
           例えば、準備信号が揚げられた直後とか、第○
マーク回航時とかでよい。第1レグの中間点といった表現は、場所も時点も表している。
(c)抗議者が違反したと考える規則。(c)any rule the protestor believes was broken・・・・・
     規則の番号(RRS)が望ましいが、番号が分からなければ規則が意味する言葉でよい。例えば、ポート/スターボード、マークタッチ、両艇接触とか。
(d)抗議者の代表者の氏名。(d)the name of the protestor’s representative・・・・・
     抗議艇の代表者、すなわちこの審問に出席して証言を述べる人のこと。艇のオーナーではない。

3.抗議書 
RRS に掲載されている「抗議書」はRRS 上の規則ではなく、あくまでも抗議の利便を図る目的でプロトタイプとして提供している書式である 
帆走指示書には、往々にして「抗議書はレース・オフィスで入手できる。抗議は抗議締切時間内にレース・オフィスに提出しなければならない」の記述が見られるが、この意味するところは、抗議艇はこの書式が自由に入手できますので使えば便利ですよ、であって、当書式の使用義務を指示しているものではないことに注意されたい。 
締切時間が逼迫している場合、「手持ちメモ紙に記述して提出する」だけで、ひとまず規則61.2(b)の要件を満している。残りの情報は、RRS61.2 に従って、審問前または審問中に、訂正もしくは満たせばよい。

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