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2015年12月27日 (日)

読者からの質問と回答 「スタート・ラインの長さ」

Rmm_p1_2読者からの質問:
>キール・ボートのレース運営を担当しているものです。キール・ボート・レースの「スタート・ラインの設定」についてお尋ねします。
>景気上向きの影響か、近年参加艇が徐々に増加し、昨年の大会では50艇近くになりました。
さて、スタート・ラインの長さについてですが、一般的に言われているように、
『スタート・ラインの長さ=艇数×艇長×1.51.2
の式に合わせて設定するようにしていました。ちなみに本大会では計算上は「50艇×平均艇長10m×1.5750m」となったため、少し短めということで600-650m位に設定しました。
>しかしこれ以上参加艇が増えた場合、このままの計算式で良いのか? との疑問があります。
また,スタート・ラインをこれ以上長くするとリコールの判定は極めて困難になってきます。
今でも本部船とピンエンド艇の両方で確認していますが、艇が重なった場合
OCSを正確に把握できないケースが実際に起きています。

なにか良いアイデアはないでしょうか? よろしくお願いいたします。(T.M)

Rmm_p2編集者による回答:
編集者が関与した大会でも同じ悩みを聴いたことがあります。
質問にありますように、マニュアル(ルールではない)等には、「スタート・ラインの長さ=艇の数×艇の長さ プラス10%~50%」の記載があり、小型艇ディンギーの場合、プラス100%のといったオリンピックの指針も紹介されています。<右図 ISAF Race Management Manual 参照>

ちなみに所属する水域においても、50艇を超すキールボート・レガッタが2015年度には3レガッタありました。最大のレガッタでは90艇の参加があり、一斉スタートのためスタート・ラインは驚くほど長い(約900m?)ものでした。

解決策として2つの例を紹介します。
(1) J/24 World Championship 2014 帆走指示書
9.4 The starting marks will be race committee boats at each end of the starting line.  In the event that the port-end line race committee boat is not in place, it will be replaced with an orange tetrahedron inflatable buoy.

11.2 The starting line will be between staffs displaying orange flags or between a staff displaying an orange flag from the Signal Boat and the course side of a starting mark.
In the event of a 3 boat starting line, the starting line will be between staffs displaying orange flags located on the Port end boat, the port side of the Signal boat (mid-line boat), the starboard side of the Signal boat and Starboard end boat. All signals both visual and audible will originate from the mid-line boat.


J24_startline_29.4 スタート・マークはスタート・ラインの各端にあるレース委員会艇とする。ポートの端のレース委員会艇を設置しない場合は、オレンジ色の四面体膨張型ヴイで置き換える。

11.2 スタート・ラインはオレンジ旗を掲揚しているポールとの間、または、信号艇のオレンジ旗を掲揚しているポールとスタート・マークのコース側との間とする。
3
艇でのスタート・ラインの場合、スタート・ラインは、ポートの端にある艇、信号艇(中間点艇)のポート側、信号艇のスターボード側、スターボードの端にある艇、の各々にオレンジ旗を掲揚しているポールの間とする。全ての信号、視覚および音響信号は中間艇から発する。

要約すると、スタート・ラインを3艇で構成し、各艇に掲げたオレンジ旗をラインの見通しとする、スタートシーケンスに使用する信号(予告、準備、スタート、OCS、ジェネラルリコール等,)は中間に位置する信号艇から発する、リコール判定も中間の信号艇が最終的にする、ことになる。

2014 J/24 World では71艇の参加があり、件の計算式では70艇×艇長7m×1.5735m」となってしまう。この3艇方式であれば、その半分の370m程度がスタート・ラインと見做せることになり、あのシビアーな(?)ワンデザイン・クラスのスタートをコントロールしようとしている。特に参加艇の多い米国での大会では以前から採用し、効果を上げている。
以前カナダ大会のレース委員長から中間艇の位置を心持ち高めにとのヒントをいただいたことがある。理由としては、①真中(すなわち中間信号艇)が引っ込んでいると、レース艇からスタートシーケンスの信号旗が見え難いこと、②Pin-End (両端)にレース艇が集中すると、中間艇からリコール艇が読み難いこと、であろう。
尚、通常のP旗スタートでは問題ないが、I旗を適用した場合のOCS解消の方法にひと工夫した規則変更が帆走指示書でなされているが、ここではそのイメージ図の紹介にとどめておく。(詳細は帆走指示書に記載)

(2) 関西空港一周レース 帆走指示書
Kanku_startline_211-2 スタート・ラインは、スターボードの端にある赤色のスタート・マークと、中間にあるレース委員会信号艇のオレンジ旗を掲揚したポールと、ポートにある黄色のスタート・マークを結ぶラインとする。

2010年に始まった関空一周レースも年々参加艇が増加し、2015年大会では82艇の参加があった。件の計算式の理屈では「82艇×平均艇長10m×1.51,230m」、すなわちスタート・ラインが1kmを超えることになってしまう。クラス分けとかの案も検討されたが、一斉スタートの華々しさを失いたくない、ライン・オナー賞を授与したい等の思いが強く、結論的にはJ/24 Worldの方式をアレンジした帆走指示書としている。スキッパーミーティングで丁寧な解説がなされ、リコールなしのスタートが実現したので一応成功と云える。
I旗は、オープンクラスの艇が多いこともあり最初から適用を除外している

J/24 World Championship 2014
帆走指示書pdf:「j24_worlds_2014_sailing_instructions.pdf」をダウンロード
関西空港一周レース 帆走指示書pdf:「kanku_race_sis_2015.pdf」をダウンロード

Https__www_facebook_com_wattsmarine2016-02-04 updated:
Quantum Racingの
FaceBookにQuantum Key West Raceの J/70 Class のスタートシーンの動画が載っていますので紹介しておきます。
スタート信号艇とミッドライン・ボート、ピンエンドライン・ボートの3艇でスタート・ラインが設置されている。また、『3艇は必ずしも直線上にならない場合がある』とのことわりがある。


Key West Race 2015 Sailing Instructions
10.2.2.1 The starting line will consist of three committee boats; starboard-end signal boat, mid-line boat and port-end line boat. The mid-line boat might not be on a straight line between the starboard-end signal boat and the port-end line boat.
10.2.2.2
For the J/70 class, the starting line will be between a staff displaying an orange flag on the starboardend signal boat and a staff displaying an orange flag on the mid-line boat and between staffs displaying orange flags on the mid-line boat and the port-end line boat (not depicted in course diagrams).
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帆走指示書:「kw15sailinginstructions_acro.pdf」をダウンロード

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